KHネオケムと日本リーテックは買い増したい。日本曹達と日本高純度化学は、新規で1株から試すのもありかな。今は、そんなふうに考えています。
第1回では、4社を選んだ経緯と、AI・データセンターとの接点を整理しました。今回は、配当を受け取りながら何を待つのか、その根拠まで見ていきます。
銘柄数は増やしすぎたくないけれど、面白い会社を知る楽しさも残したい。追加する資金をどこへ向けるか考えるために、4社を比べた記録です。
第1回:AI・半導体の高配当株を、少し外側から探す|4社を選んだ理由
株価・市場指標は2026年10月6日の東証終値、BSは2026年6月末。この記事は10月7日時点の検討です。
配当とネットキャッシュを、同じ基準で並べる
| 会社 | 株価 | 予想配当利回り | 予想PER |
| KHネオケム(4189) | 3,450円 | 3.77% | 13.89倍 |
| 日本リーテック(1938) | 2,529円 | 3.84% | 10.21倍 |
| 日本曹達(4041) | 3,720円 | 4.30% | 12.62倍 |
| 日本高純度化学(4973) | 5,120円 | 4.49% | 13.69倍※ |
配当・PERの対象期間はKHが2026年12月期、他3社が2027年3月期。※日本高純度化学のPERは株式売却益を含みます。[13]
現金NCは、現預金と短期有価証券から借入・社債・CPを引いた額。その金額を時価総額で割ったものが、ここでの現金NC比率です。リース債務は除外し、4社とも短期有価証券は0でした。[2][3][11][12]
NCは比率だけでなく、金額も並べました。金額は億円、小数1桁に丸めています。
| 会社 | 現金NC | 時価総額比率 | 証券70%加算NC・参考 | 時価総額比率 |
| KHネオケム | −73.1億円 | −5.7% | +4.0億円 | +0.3% |
| 日本リーテック | +88.8億円 | +14.0% | +228.5億円 | +36.0% |
| 日本曹達 | −320.8億円 | −15.6% | +313.4億円 | +15.2% |
| 日本高純度化学 | +66.2億円 | +21.3% | +191.9億円 | +61.8% |
現金NCのマイナスは、この定義で現金より借入等が多いという意味です。設備投資や事業で生むキャッシュフローも、合わせて確認します。上の金額・比率は会社の公表値を使った私の計算です。[2][3][11][12][13]

投資有価証券を加えると、財務の見え方はかなり変わります。ただし、証券70%加算NCは、現金NCに6月末の投資有価証券残高の70%を加えた参考値です。実際の売却手取りを計算したものではなく、日本曹達には持分法投資等も含まれます。現金にも運転資金として必要な部分があり、すべて余剰資産とは限りません。
時価総額はYahoo掲載の自己株式を含む発行済株式数ベースで統一しました。保有証券の役割や換金性は会社ごとに違うので、比率の大きさと、その資産をどう使えるかを合わせて見たいです。[2][3][11][12][13]
KHネオケム|電子材料の利益成長が続くか

2026年上期の電子材料は、売上高26.3%増、営業利益51.3%増。営業利益率を計算すると、約20.6%から約24.7%に上がっています。品質や安定供給の価値を価格に反映できている点が、買い増しを考える理由です。[2]
ただ、全社増益の中身では、電子材料の営業利益増加6.16億円に対して、基礎化学品は16.76億円増でした。電子材料の成長と、市況で動く部分を両方追うことになります。[2]
年間配当は130円予想。配当性向50%目処、DOE5%以上を目標とする方針へ変更されています。DOEは自己資本に対する配当の割合で、KHの5%は「目標」です。[2][9]
現金NCは−73.1億円、比率は−5.7%ですが、上期の営業キャッシュフローは78.09億円、有形固定資産取得の支出は28.98億円でした。[2] 事業で現金を生み出し、その中から投資と配当を続けられるかも見たい。次は電子材料の数量・利益率と、全社の増益要因の持続性を確認したいです。
日本リーテック|受注した仕事が、採算の良い売上になるか

2026年4–6月の屋内外電気設備部門は、受注高が45.3%増、売上高は40.8%減、期末の繰越工事高は19.6%増でした。[3] 受注した仕事は積み上がっていますが、売上になるまでには時間があります。
数字は部門全体のもので、DC案件だけの採算や完成日ではありません。施工人員を確保できるか、原価上昇を価格に反映できるか、工事が進む過程まで追いたいです。
予想PER10.21倍、PBR0.93倍、現金NC+88.8億円・比率14.0%。利益に対する株価と財務を合わせて考えやすい会社だと感じます。[3][13] 一方、会社はROE8.3%が推計資本コスト8.6%を下回ることを課題にしています。[10] 2028年3月期の中計目標は営業利益77.5億円、ROE9.0%へ引き上げられました。[15]
配当は年間97円予想で、DOE3.6%水準の方針です。[3][10] 受注を消化する中で利益率と資本効率がどう改善するかを、買い増しした後も確認していきたいと思っています。
日本曹達|増産した設備が、利益と現金を生むか

PBのAIサーバー向け販売増、VPの増産体制、医薬品添加剤HPCの増産設備。追いたい成長材料は複数あります。[4][6][7]
一方、2026年4–6月のケミカル部門の営業利益は3.3%増にとどまり、全社18.3%増には農薬部門の改善も効いていました。[4] 設備が増えると償却費などの負担も増えるので、販売がその負担を吸収し、利益とキャッシュフローが増えるところまで見たいです。
年間配当は160円予想、利回りは4.30%。累進配当を基本とする方針で、総還元性向50%以上も掲げています。[6][12][13] 成長を待つ間の配当には惹かれますが、現金NCは−320.8億円です。証券70%加算では+313.4億円となるものの、換金性の違う持分法投資等も含む参考値です。新規で1株持つなら、製品の販売と投資回収を追うために持ちたいです。
日本高純度化学|PERの中身と、資産の使い道に立ち止まる

2026年4–6月の売上高は80.6%増ですが、貴金属価格の上昇も含まれます。営業利益は0.31億円。一過性の損失を除いた会社提示値は0.88億円で、前年の0.92億円には届いていません。数量増による粗利益の増加が、研究開発や人員などへの投資をおおむね吸収している段階です。[8]
予想PER13.69倍にも、21億円の株式売却益が含まれています。経常利益8億円に税率30%を仮置きし、売却益なしの利益を簡易計算すると、PERは約53倍になります。[8][13]
この53倍は会社予想ではなく、受取配当金などの金融収益を含む経常利益を使った試算です。現金や保有株式の価値も控除していません。会社全体の割高・割安を、この数字だけで決めることはできませんが、売却益込みのPERとの差は見ておきたいです。
現金NC+66.2億円・比率21.3%、証券70%加算では+191.9億円・61.8%という資産の厚さもあります。年間配当は230円予想で、DOE5%を下限とする方針です。[8][11][13]
私は、本業の利益回復と、保有株式を売った資金の使い道に関心があります。換金だけでは資産の形が変わる面もある。その資金を成長投資や還元に使い、企業価値へつなげられるかを確認したいです。
配当を受け取りながら、どんな変化を待つか
KHは高純度材料の採用と利益率、日本リーテックは施工力と資本効率、日本曹達は新グレードと増産設備の投資回収、日本高純度化学は本業利益と保有株売却後の資金配分。中期で待ちたいものは、4社で違います。[6][10][18][20]
決算発表日は、その変化が進んでいるかを確認する日です。会社が示す中計期間や製品開発の予定と、利益が増える条件も合わせて見たいので、詳しい比較を第3回に分けました。
山口揚平氏の本に出てくる「企業を分析する9の視点」の視点名を抜粋し、1視点につき1枚の図で比較しています。各社の分析とカタリストの仮説は、公表資料をもとに私が整理したものです。[17]
続き:AI関連4社を9の視点で深掘り|決算の先にあるカタリスト
買い増しと1株投資を、同じ勢いで増やすかは迷う
調べた会社を少額で持つと、その後の決算も自分のこととして追いやすくなりそうです。日本曹達も日本高純度化学も、事業を知るほど気になる部分がありました。1株から、という案はまだ残しています。
ただ、1株買うたびに追う決算も増える。金額の問題だけではないんですよね。

今は、KHネオケムと日本リーテックの買い増しを優先して考えています。新規の2社は、買った後に何が分かったら追加したくなるのかも書いておきたい。日本曹達なら増産後の販売と採算、日本高純度化学なら本業利益と資産の使い道です。
両方を1株ずつ持つか、まず1社から見ていくかは、まだ迷っています。面白い会社を知る楽しさは残したい。でも、追加資金を入れる会社まで同じ数だけ増やす必要はないのかもしれません。
銘柄数を減らすことだけを急ぐより、次に入れる資金をどこへ向けたいか。その理由を少しずつはっきりさせていくほうが、今の私にはしっくりきています。
参照資料
2. KHネオケム:2026年12月期中間決算短信(2026年8月4日)
3. 日本リーテック:2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月6日)
4. 日本曹達:2027年3月期第1四半期決算概要(2026年8月7日)
6. 日本曹達:中期経営計画Stage3(2026年5月14日)
7. 日本曹達:NISSO HPC増産設備竣工(2026年8月6日)
8. 日本高純度化学:2027年3月期第1四半期決算説明資料(2026年7月24日)
9. KHネオケム:配当方針変更・配当予想修正(2026年8月4日)
10. 日本リーテック:資本コストや株価を意識した経営への対応(2026年5月18日)
11. 日本高純度化学:事業モデル・強み/中期経営計画/2027年3月期第1四半期決算短信
12. 日本曹達:2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月7日)
13. Yahoo!ファイナンス:KHネオケム/日本リーテック/日本曹達/日本高純度化学
15. 日本リーテック:中期経営計画の経営数値目標修正(2026年5月12日)/中期経営計画の公式説明
17. 山口揚平『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座――会社の本質を見抜く9のポイント』日本実業出版社、2008年。ISBN 9784534044495。書誌情報
18. KHネオケム:第5次中期経営計画(2025~2027年)/公式中計ページ
20. 日本高純度化学:中期経営計画FY2025~2027・全文(最終年度は2028年3月期)

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