私は現在、SBI証券、楽天証券、SMBC日興証券を、投資目的ごとに使い分けています。
以前は高配当株も成長を狙う株もSBI証券にまとめていましたが、同じ口座に目的の違う株が並ぶと、意外と頭の切り替えが難しいと感じていました。
そこで参考にしたのが、上岡正明さんの『株メンタル: トップ3%投資家の最強ソリューション』です。
本書で紹介されている「目的別に証券口座を分ける」という考え方を自分でも試したところ、投資目的を整理しやすくなりました。
この記事では、現在の3口座の役割と、実際に分けて感じたメリット・デメリットをまとめます。
証券口座を分ける目的は「投資の役割を見えるようにする」こと
上岡正明さんは『株メンタル』の中で、短期トレードと長期トレードなど複数の投資手法を使う場合、それぞれの期間や資金を明確に分ける方法を紹介しています。
上岡さん自身も、短期、長期、高配当株、米国株や投資信託など、目的別に証券口座を使い分けているそうです。
その中で印象に残ったのが、「目的別に4つの口座に分けて運用しています」という部分でした。
これを読んで、「証券口座そのものを投資目的の仕切りにしてしまえばいいのか」と考えました。
現在の私は、大きく分けると、
- SBI証券:NISAと個別株投資の中心
- 楽天証券:高配当要素のある永久保有株
- SMBC日興証券:株主優待株
という役割にしています。
さらにSBI証券の中でも、NISAのつみたて投資枠、成長投資枠、特定口座で役割を変えています。
口座や枠を見れば、「この資産を何のために持っているのか」がある程度分かる。私にとっては、これが複数口座を使う一番大きなメリットです。
同じ口座に高配当株と成長株を入れていたときの難しさ
以前は、高配当株も成長を期待する株もSBI証券にまとめていました。管理自体はシンプルです。
ただ、実際に投資を続けていると、目的の違う株を同じ基準で見そうになることがありました。
たとえば、株価が大きく下がったときです。高配当株であれば、事業に大きな問題がなく、配当方針も変わっていなければ、「配当を受け取りながら長く持つ」という判断ができます。
一方、成長を期待して買った株であれば、「当初期待していた成長シナリオが崩れていないか」を確認する必要があります。
同じ「株価下落」でも、見るべきポイントが違います。頭では分かっていても、同じ証券口座の同じ画面に並んでいると、私はその切り替えが少し難しいと感じていました。
そこで、証券口座を単なる保管場所ではなく、投資目的を示すラベルとして使うようにしました。
『株メンタル』の方法をそのまま再現したわけではありません。
考え方を参考にしながら、自分の投資スタイルに合わせて役割を作っていった形です。
SBI証券|資産形成と個別株投資の中心
SBI証券は、現在の資産運用の中心となる口座です。
ただし、SBI証券にある資産をすべて同じ考え方で持っているわけではありません。
次のように、それぞれで役割を変えています。
- NISAのつみたて投資枠
- NISA成長投資枠
- 特定口座
NISAつみたて投資枠|オルカンを長期で積み立てる
NISAのつみたて投資枠では、全世界株式、いわゆる「オルカン」を積み立てています。
ここは個別企業を選ぶ場所ではありません。世界全体の成長に広く投資しながら、長い時間をかけて資産形成していくための枠にしています。
個別株では、「この企業を保有し続けていいか」を自分で考える必要があります。
一方、オルカンでは、個々の企業を自分で選んだり入れ替えたりする必要はありません。
そのため私の中では、つみたて投資枠は自分で細かな売買判断を繰り返すのではなく、長期で淡々と積み立てる場所と位置づけています。
基本的には長期保有し、本当に資金が必要になった場合を除けば、積極的に売却するものではないと考えています。
NISA成長投資枠①|永久保有株の中でも「高配当コア」
NISA成長投資枠の一つ目の役割は、個別株です。
ここでは、永久保有を前提に考えている銘柄の中でも、特に高配当で、長期的にポートフォリオの中心に置きたい企業を保有しています。
ここでいう「永久保有」とは、何があっても絶対に売らないという意味ではありません。
事業の競争力、財務、株主還元方針など、保有を決めた前提が大きく崩れない限り、基本的には売らずに持ち続けるという意味です。
現在は、
- 三菱商事
- 三井物産
- 伊藤忠商事
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- ショーボンドホールディングス
- エクシオグループ
などを、この高配当コアとして保有しています。
商社、金融、インフラ関連など、長期的に事業を続けながら、配当も期待できる企業が中心です。
NISAは非課税メリットがあるからこそ、短期間で入れ替える銘柄より、「前提が崩れない限り、この先も持ち続けたい」と思える企業に枠を使いたいと考えています。
NISA成長投資枠②|高配当投資信託も持つ
NISA成長投資枠には、個別株だけではなく、高配当投資信託も置いています。
現在は、
- SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)/スマートベータ系
- SBI・SCHD
など、高配当を軸にした投資信託を保有しています。
個別株では、自分で企業を選び、その会社の事業や財務、配当方針などを見ていきます。
一方、高配当投資信託では、多くの企業に分散しながら、高配当株という投資スタイルそのものを取り入れることができます。
私の中では、個別株は「自分で選ぶ高配当コア」、投資信託は「分散された高配当戦略」という位置づけです。
どちらか一方に寄せるのではなく、両方を組み合わせています。
そのためNISA成長投資枠は、単に「個別株を買う場所」というより、高配当を一つの軸にしながら、長期的に資産を育てていく場所になっています。
特定口座|売却も含めて柔軟に判断する個別株
一方、SBI証券の特定口座では、NISAほど「持ち続けること」にはこだわっていません。
成長性や割安さ、高配当などを見ながら個別株を買い、
- 企業を分析する
- 自分なりの買値を考える
- 成長を追う
- 前提が変われば売却する
といった判断もします。
成長を期待する銘柄もあれば、中長期で配当を受け取りたい銘柄もあります。ここは私にとって、「今、この会社に資金を置いておく意味があるか」を考えながら運用する場所です。
同じSBI証券でも、
- つみたて投資枠はオルカン、
- 成長投資枠は高配当を軸とした長期資産、
- 特定口座は柔軟に判断する個別株。
このように役割を分けることで、同じ証券会社の中でも判断基準を切り替えやすくしています。
楽天証券|高配当要素のある「永久保有株」を置く
楽天証券では、高配当株としての魅力があり、なおかつ前提が崩れない限り永久保有したいと思える企業を中心にしています。
私の中では、頻繁に売買する口座ではありません。基本的な考え方は、「配当を受け取りながら、企業と長く付き合っていく」というものです。
ここはSBI証券のNISA成長投資枠とは少し位置づけが違います。SBIのNISA成長投資枠に置く個別株は、永久保有候補の中でも、特にポートフォリオの中心にしたい「高配当コア」。
楽天証券は、それ以外も含めて、高配当要素があり、長く持ち続けたい永久保有株を置く場所というイメージです。
こうしておくと、楽天証券にある株の価格が下がったときにも、
「そもそも、この株は短期的な値上がりを期待して買ったわけではなかった」
と、保有目的に戻りやすくなります。
ただし、「永久保有したいと考えた前提は、今も残っているか」を確認します。その中で、事業そのものが変わったり、財務が悪化したり、株主還元方針が大きく変わったりすれば、保有を見直します。
重要なのは、絶対に売らないことではなく、なぜ長く持ちたいと思ったのかを忘れないことだと考えています。
SMBC日興証券|株主優待株を育てる口座
3つの中で、最も役割が分かりやすいのがSMBC日興証券です。
ここは基本的に、株主優待株を保有・育成するための口座として使っています。
気になる優待株は、まず1株から
興味を持った会社があっても、最初から100株を買うとは限りません。
まず1株だけ保有し、その会社をしばらく観察することがあります。
1株でも持っていると、
- 株価がどう動いているか
- 決算はどうだったか
- 配当はどうか
- 優待を継続できそうか
- もっと保有したいと思えるか
といった点を自然と見るようになります。
その中で「もう少し持ちたい」と思えば、少しずつ株数を増やしていきます。実際に、そうして100株の優待単元まで育てた銘柄もあります。
逆に、1株保有してみて「今は増やさなくていい」と思えば、そのまま監視を続けることもあります。
私にとってSMBC日興証券は、小さく始めて、自分に合うか確かめるという投資スタンスを実践する場所にもなっています。
100株は一つの通過点
株主優待は、100株を条件にしている企業が多くあります。
そのため、気に入った会社は少しずつ買い進め、100株を一つの目安にしています。
ただし、100株にすること自体が目的ではありません。
少しずつ買い増している間にも決算や株価を見るので、その会社について考える時間ができます。100株に到達したら、いったん優待株としてのコアが完成する。
その後さらに買うかどうかは、業績や株価、配当、割安度などを改めて見て判断します。
口座を分けたら、意外と頭の切り替えが楽になった
実際に複数口座へ分ける前は、「管理が面倒になるだけではないか」とも思っていました。
たしかに、管理する場所は増えます。
ただ、投資判断についてはむしろ逆でした。SBI証券のつみたて投資枠では、オルカンを長期で積み立てることに集中しています。
成長投資枠では、高配当を軸に、永久保有を考える個別株と高配当投資信託を育てていく。
一方、特定口座では、企業ごとの成長性や割安さを見ながら、必要に応じて売却も含めて判断します。
楽天証券を開いたときは、少し感覚が変わります。ここにあるのは、高配当要素があり、前提が崩れない限り長く持ち続けたい株です。
SMBC日興証券では、さらに別のモードになります。株主優待を楽しみながら、気になる銘柄を1株から少しずつ育てていきます。
こうして置き場所を分けておくと、単に資産が整理されるだけではありません。
口座を開いた瞬間に、「この資産には何を期待しているのか」を思い出しやすくなるのです。
上岡さんの『株メンタル』を読んで試してみた結果、物理的に置き場所を分けることが、自分にとっては心理的な切り替えにもつながりました。
もちろん、この方法がすべての人に合うとは思いません。
一つの証券会社にまとめたほうが管理しやすい人もいるでしょう。
私の場合は、複数口座に分けることで、投資の目的を整理しやすくなったということです。
複数口座にはデメリットもある
一方で、証券口座を分ければ良いことばかりではありません。
たとえば、
- 資産全体が見えにくくなる
- 待機資金が複数口座に分散する
- 管理の手間が増える
- 配当金や損益の確認が面倒になる
といったデメリットがあります。
特に注意したいのは、口座ごとの資産だけを見て、全体を見失うことです。
私は証券口座には役割を持たせていますが、アセットアロケーションは口座をまたいで全体で考えています。
オルカン、高配当投資信託、個別株、現金などをまとめて見て、初めて自分の資産全体の姿が分かります。楽天証券だけを見れば高配当株の割合はかなり高くなりますが、それだけで資産全体のリスクを判断することはできません。
口座は分けても、資産は一つ。
ここは忘れないようにしています。
口座の役割は、必要なら変えていい
現在の役割をまとめると、
- SBI・NISAつみたて投資枠:オルカン
- SBI・NISA成長投資枠:高配当コアの永久保有株+高配当投資信託
- SBI・特定口座:柔軟に判断する個別株
- 楽天証券:高配当要素のある永久保有株
- SMBC日興証券:株主優待株
という形です。
ただし、これを絶対的なルールにはしていません。
証券会社のサービスも変わりますし、自分の資産規模や投資スタイルも変わる可能性があります。「永久保有」と考えていた企業であっても、保有の前提が崩れれば見直します。
大切なのは、決めたルールを守ることではなく、なぜその資産を持っているのかを自分で把握できることです。
口座分けは、そのための手段です。
ルールそのものが目的になってしまえば、本末転倒です。
自分にとって分かりやすく、納得して続けられる状態になっているかを見ながら、必要に応じて役割も変えていきたいと思っています。
まとめ|口座を分けると、投資の目的に戻りやすくなる
オルカン、高配当投資信託、永久保有株、成長を期待する個別株、株主優待株。
同じ資産運用でも、それぞれに期待している役割は違います。一つの口座ですべて管理するほうが分かりやすい人もいると思います。
私の場合は逆で、目的の違う資産が同じ場所に並んでいると、判断基準が混ざりやすいと感じました。
そこで、証券口座やNISAの枠そのものに役割を持たせるようにしています。
この記事で紹介した現在の運用は、
- NISAつみたて投資枠では、オルカンを長期で積み立てる
- NISA成長投資枠では、高配当コアの永久保有株と高配当投資信託を育てる
- SBI特定口座では、個別企業を分析しながら柔軟に判断する
- 楽天証券では、高配当要素のある永久保有株を基本的に長く持つ
- SMBC日興証券では、優待株を1株から育てる
- 置き場所は分けても、資産配分は全体で考える
という形です。
実際に試してみると、私の場合は管理場所が増えるデメリット以上に、「なぜこの資産を持っているのか」に戻りやすくなったことのほうが大きなメリットでした。
株価が大きく動いたときにも、
この資産には、そもそも何を期待していたのか。
その前提は今も変わっていないのか。
と考えやすくなります。
証券口座を一つにまとめる方法にも、複数に分ける方法にも、それぞれメリットがあります。
大切なのは口座の数ではなく、自分が投資目的を見失わず、納得して続けられる仕組みをつくること。
私にとっては、「口座と制度に役割を持たせること」が、そのための一つの方法になっています。
※この記事は、私個人の証券口座の使い分けと投資に対する考え方を記録したものです。特定の証券会社、銘柄、投資信託などの利用や売買を推奨するものではありません。
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